原文

石激 垂見之上乃 左和良妣乃 毛要出春尓 成来鴨

作者

志貴皇子(しきのみこ)

よみ

石(いわ)ばしる、垂水(たるみ)の上の、さ蕨(わらび)の、萌え出づるになりにけるかも

意味

ワラビ 撮影(1998) by きょう

岩を流れる滝(たき)のほとりのワラビが芽を出してくる春(はる)になったんですね。

- rough meaning: Here has come the spring when Warabi sprout on the banks of the waterfall that flows through the rocks.

・「垂水(たるみ)」がどこなのかについては、大阪府吹田市の垂水神社、神戸市垂水区など諸説あるようです。単に滝(たき)のことを示しているとの説もあります。

補足

この歌の題詞には、「春の雜歌(ぞうか) 志貴皇子(しきのみこ)の懽(よろこ)びの御歌(みうた)一首」とあります。春(はる)は水の流れもすがすがしいですね。

更新日: 2021年04月18日(日)