原文
虎尓乗 古屋乎越而 青淵尓 鮫龍取将来 劒刀毛我
作者
境部王(さかいべのおおきみ)
よみ
虎(とら)に乗り、古屋(ふるや)を越えて、青淵(あをふち)に、蛟龍(みつち)捕(と)り来(こ)む、剣太刀(つるぎたち)もが
意味
虎(とら)に乗って、古屋(ふるや)を越えて、青く水をたたえた深い淵(ふち)にいる龍(りゅう)を捕らえてこれるような剣大刀があったらなぁ。
補足
宴席で戯(たわむれ)れに詠んだ歌のひとつです。
境部王(さかいべのおおきみ)は、穂積王(ほずみのおおきみ)の子です。
蛟龍(みつち)は、想像上の動物で、龍になろうとしている動物(龍の子供という説も)と考えられています。また、四本の足を持っており、大水を起こすとも考えられています。