原文 Original Text
久堅之 雨毛落奴可 蓮荷尓 渟在水乃 玉似有将見
作者 Author
不明 Unknown
よみ Reading

ひさかたの 雨(あめ)も降らぬか 蓮葉(はちすば)に 溜まれる水の 玉に似たる見む
ひさかたの あめもふらぬか はちすばに たまれるみづの たまににたるみむ- Hisakata no Ame mo furanuka Hachisuba ni Tamareru mizu no Tama ni nitaru mimu.
意味 Meaning

雨(あめ)が降らないでしょうかね。蓮(はす)の葉にたまった水が玉のようになるのを見たいものです。
・ある宴会のときに食べ物を蓮(はす)の葉に盛ったそうで、その蓮(はす)にちなんで詠んだ歌だそうです。
- rough meaning: I wonder if it will rain. I would love to see the water collecting on the lotus leaves and forming into bead-like droplets. (At a banquet held at the government office, food was served arranged on lotus leaves. When the attendees asked, "Please compose a poem incorporating the lotus," a government official composed this poem.)
補足 Note
・この歌の左注には、「右歌一首傳云 有右兵衛[姓名未詳] 多能歌作之藝也 于時府家備設酒食 饗宴府官人等 於是饌食盛之皆用荷葉 諸人酒酣歌儛駱驛 乃誘兵衛云 關其荷葉而作歌者 登時應聲作斯歌也」とあります。
・左注の大意: 右の歌一首は言い伝えによると「一人の右兵衛の官人がいました〔姓名は不明〕。歌を作ることが巧みでした。ある時、右兵衛の役所で酒食をそなえて役人たちを馳走したことがありました。このとき、食物はすべて蓮の葉に盛りました。一同宴もたけなわとなって、つぎつぎに歌ったり舞ったりしました。その時、人が兵衛の者を誘って「その蓮の葉にちなんで歌を作れ」といいました。すると直ちに誘いに応じてこの歌を作った」ということです。
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