所射鹿乎 認河邊之 和草 身若可倍尓 佐宿之兒等波母
不明
射(い)ゆ鹿(しし)を、認(つな)ぐ川辺(かわへ)の、にこ草の、身の若(わか)かへに、さ寝(ね)し子らはも
射(い)られて怪我をした鹿(しか)が通った跡(あと)をたどってゆく川辺のにこ草のように(私が)若々しかった頃に寝たあの娘たちを思い出します。
「認(つな)ぐ」は跡をたどってゆくことをいいます。
この歌では、「にこ草」は、特定の草ではなく、単に柔らかな草のことかもしれません。