原文

所射鹿乎 認河邊之 和草 身若可倍尓 佐宿之兒等波母

作者

不明

よみ

射(い)ゆ鹿(しし)を、認(つな)ぐ川辺(かわへ)の、にこ草の、身の若(わか)かへに、さ寝(ね)し子らはも

意味

射(い)られて怪我をした鹿(しか)が通った跡(あと)をたどってゆく川辺のにこ草のように(私が)若々しかった頃に寝たあの娘たちを思い出します。

箱根羊歯 撮影(2010.11) by きょう

補足

「認(つな)ぐ」は跡をたどってゆくことをいいます。

この歌では、「にこ草」は、特定の草ではなく、単に柔らかな草のことかもしれません。

更新日: 2011年04月03日(日)