第十巻 : 春さればもずの草ぐき見えずとも

2000年2月20日(日)更新


原文: 春之在者 伯勞鳥之草具吉 雖不所見 吾者見将遣 君之當乎婆

作者: 不明

よみ: 春されば、もずの草ぐき、見えずとも、我れは見やらむ、君があたりをば

意味: 春になってもずが草の中に隠れてしまって見えなくなっても、私はあなたの家の方を見てますよ。

もずの草ぐき」とは、もずが草の茂みに隠れることを言います。もずは、春になると山に戻って人目に触れにくくなるのでこのように考えたのでしょうね。

この歌の題詞に「鳥に寄する」とあります。もずのように姿を見れなくなっても大好きなあなたの住んでいらっしゃる方を見てますよ、って意味ですよね。

野鳥散策(三宅博写真集)より

第十巻