夏草乃 露別衣 不著尓 我衣手乃 干時毛名寸
不明
夏草の、露(つゆ)別(わ)け、衣(ころも)着けなくに、我が衣手(ころもで)の、干(ふ)る時もなき
夏草の露(つゆ)を衣につけたわけでもないのに、私の衣の袖は乾くときがありません。
恋が苦しくて、涙がかわくことがありません。
夏の相聞(そうもん)のひとつで、この歌の題詞には「露(つゆ)に寄せる」とあります。