露(つゆ) Tsuyu(Dew)
空気中の水蒸気が冷えて水滴となって植物の葉などについたものです。また、雨(あめ)の後に植物の葉などに残っている水滴をいうこともあります。
- Tsuyu(Dew) is that water vapor in the air cools and becomes water droplets attached to the leaves of plants. The water droplets left on the leaves of plants after the rain may also be called tsuyu(dew).
露(つゆ)を詠んだ歌 Poems including Tsuyu
露(つゆ)は光に当たると消えてしまうので、わが身のはかなさをたとえて詠んでいる歌が目立ちます。もちろん、露そのものを詠んでいる歌もあります。「天の露霜」という言い方もされています。
・朝露(あさつゆ)、白露(しらつゆ)のページもご覧ください。
- Since Tsuyu(dew) disappears when exposed to light, there are many poems that use it as an analogy for the transience of our own lives. Please also see the pages on Asa-tsuyu and Shira-Tsuyu.
0105: 我が背子を大和へ遣るとさ夜更けて暁露に我れ立ち濡れし
0131: 石見の海角の浦廻を浦なしと人こそ見らめ.......(長歌)
0138: 石見の海津の浦をなみ浦なしと人こそ見らめ.......(長歌)
0199: かけまくもゆゆしきかも言はまくもあやに畏き.......(長歌)
0217: 秋山のしたへる妹なよ竹のとをよる子らは.......(長歌)
0443: 天雲の向伏す国のますらをと言はれし人は.......(長歌)
0466: 我がやどに花ぞ咲きたるそを見れど心もゆかず.......(長歌)
0651: ひさかたの天の露霜置きにけり家なる人も待ち恋ひぬらむ
0785: 我がやどの草の上白く置く露の身も惜しからず妹に逢はずあれば
0971: 白雲の龍田の山の露霜に色づく時にうち越えて.......(長歌)
1047: やすみしし我が大君の高敷かす大和の国はすめろきの.......(長歌)
1081: ぬばたまの夜渡る月をおもしろみ我が居る袖に露ぞ置きにける
1116: ぬばたまの我が黒髪に降りなづむ天の露霜取れば消につつ
1241: ぬばたまの黒髪山を朝越えて山下露に濡れにけるかも
1543: 秋の露は移しにありけり水鳥の青葉の山の色づく見れば
1547: さを鹿の萩に貫き置ける露の白玉あふさわに誰れの人かも手に巻かむちふ
1564: 秋づけば尾花が上に置く露の消ぬべくも我は思ほゆるかも
1580: さを鹿の来立ち鳴く野の秋萩は露霜負ひて散りにしものを
1589: 露霜にあへる黄葉を手折り来て妹とかざしつ後は散るとも
1595: 秋萩の枝もとををに置く露の消なば消ぬとも色に出でめやも
1597: 秋の野に咲ける秋萩秋風に靡ける上に秋の露置けり
1600: 妻恋ひに鹿鳴く山辺の秋萩は露霜寒み盛り過ぎゆく
1605: 高円の野辺の秋萩このころの暁露に咲きにけむかも
1617: 秋萩に置きたる露の風吹きて落つる涙は留めかねつも
1994: 夏草の露別け衣着けなくに我が衣手の干る時もなき
2095: 夕されば野辺の秋萩うら若み露にぞ枯るる秋待ちかてに
2127: 秋さらば妹に見せむと植ゑし萩露霜負ひて散りにけるかも
2153: 秋萩の咲きたる野辺はさを鹿ぞ露を別けつつ妻どひしける
2170: 秋萩の枝もとををに露霜置き寒くも時はなりにけるかも
2172: 我が宿の尾花押しなべ置く露に手触れ我妹子散らまくも見む
2174: 秋田刈る仮廬を作り我が居れば衣手寒く露ぞ置きにける
2178: 妻ごもる矢野の神山露霜ににほひそめたり散らまく惜しも
2181: 雁が音の寒き朝明の露ならし春日の山をもみたすものは
2182: このころの暁露に我がやどの萩の下葉は色づきにけり
2189: 露霜の寒き夕の秋風にもみちにけらし妻梨の木は
2204: 秋風の日に異に吹けば露を重み萩の下葉は色づきにけり
2213: このころの暁露に我が宿の秋の萩原色づきにけり
2225: 我が背子がかざしの萩に置く露をさやかに見よと月は照るらし
2240: 誰ぞかれと我れをな問ひそ九月の露に濡れつつ君待つ我れを
2252: 秋萩の咲き散る野辺の夕露に濡れつつ来ませ夜は更けぬとも
2253: 色づかふ秋の露霜な降りそね妹が手本をまかぬ今夜は
2255: 我が宿の秋萩の上に置く露のいちしろくしも我れ恋ひめやも
2256: 秋の穂をしのに押しなべ置く露の消かもしなまし恋ひつつあらずは
2257: 露霜に衣手濡れて今だにも妹がり行かな夜は更けぬとも
2258: 秋萩の枝もとををに置く露の消かもしなまし恋ひつつあらずは
2330: 妹がためほつ枝の梅を手折るとは下枝の露に濡れにけるかも
2335: 咲き出照る梅の下枝に置く露の消ぬべく妹に恋ふるこのころ
2357: 朝戸出の君が足結を濡らす露原早く起き出でつつ我れも裳裾濡らさな
2395: 行き行きて逢はぬ妹ゆゑひさかたの天露霜に濡れにけるかも
2687: 桜麻の麻生の下草露しあれば明かしてい行け母は知るとも
2688: 待ちかねて内には入らじ白栲の我が衣手に露は置きぬとも
2690: 白栲の我が衣手に露は置き妹は逢はさずたゆたひにして
3038: かく恋ひむものと知りせば夕置きて朝は消ぬる露ならましを
3041: 朝な朝な草の上白く置く露の消なばともにと言ひし君はも
3042: 朝日さす春日の小野に置く露の消ぬべき我が身惜しけくもなし
3043: 露霜の消やすき我が身老いぬともまたをちかへり君をし待たむ
3044: 君待つと庭のみ居ればうち靡く我が黒髪に霜ぞ置きにける
3152: 玉かつま安倍島山の夕露に旅寝えせめや長きこの夜を
3324: かけまくもあやに畏し藤原の都しみみに人はしも.......(長歌)
3382: 馬来田の嶺ろの笹葉の露霜の濡れて我来なば汝は恋ふばぞも
3649: 鴨じもの浮寝をすれば蜷の腸か黒き髪に露ぞ置きにける
3699: 秋去れば置く露霜にあへずして都の山は色づきぬらむ
3933: ありさりて後も逢はむと思へこそ露の命も継ぎつつ渡れ
4011: 大君の遠の朝廷ぞみ雪降る 越と名に追へる.......(長歌)
4160: 天地の遠き初めよ世間は常なきものと語り継ぎ.......(長歌)
4211: 古にありけるわざのくすばしき事と言ひ継ぐ.......(長歌)
4214: 天地の初めの時ゆうつそみの八十伴の男は大君に.......(長歌)
4297: をみなへし秋萩しのぎさを鹿の露別け鳴かむ高圓の野ぞ
4318: 秋の野に露負へる萩を手折らずてあたら盛りを過ぐしてむとか