原文

久堅乃 天露霜 置二家里 宅有人毛 待戀奴濫

作者

坂上郎女(さかのうえのいらつめ)

よみ

ひさかたの、天(あめ)の露霜(つゆしも)、置きにけり、家(いへ)なる人も、待ち恋(こ)ひぬらむ

意味

撮影(2010.11) by きょう

天からの露(つゆ)霜しも)が降りています。家にいるあの人も、持ちわびているでしょう。

補足

坂上郎女が、お兄さんの大伴旅人(おおとものたびと)といっしょに大宰府(だざいふ)に居たときに、都に残した娘さんのことを思って詠んだ歌ではないか、とも考えられています。坂上郎女には、大嬢(おおいらつめ)と二嬢(おといらつめ)のふたりの娘さんがいました。

「ひさかたの」は、天(あめ)、雨、月などを導く枕詞(まくらことば)です。

更新日: 2010年11月14日(日)