原文
安伎左礼婆 於久都由之毛尓 安倍受之弖 京師乃山波 伊呂豆伎奴良牟
作者
遣新羅使(けんしらぎし)
よみ
秋去(さ)れば、置く露霜(つゆしも)に、あへずして、都の山は、色づきぬらむ
意味
秋がやってくると、露や霜に耐えかねて都の山は紅葉したでしょう。
補足
3697~3699番歌の題詞に、「對馬(つしま)の嶋(しま)の淺茅浦(あさぢうら)に到り、舶泊(ふなどまり)の時、順風を得ず、經停(けいてい:留まる)すること五箇日(いつか)。是(ここ)に物華(ぶっか:美しいもの)を瞻望(せんぼう:見渡す)し、おのおの慟心(どうしん:悲しい気持ち)を陳(の)べて作る歌三首」とあります。