朝露尓 染始 秋山尓 鍾礼莫零 在渡金
柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)歌集より
朝露(あさつゆ)に、にほひそめたる、秋山に、しぐれな降りそ、ありわたるがね
朝露(あさつゆ)に色づいてきた秋山に、時雨(しぐれ)よ降らないで。(秋山が)色づいたままでいてくれるように。
「ありわたるがね」は、そのままで変わらないでいて欲しい、という意味です。
「秋の雑歌(ぞうか)」で、「黄葉(もみち)を詠む」歌のひとつです。