原文
剱後 玉纒田井尓 及何時可 妹乎不相見 家戀将居
作者
不明
よみ
太刀(たち)の後(しり)、玉纒(たままき)田居(たゐ)に、いつまでか妹(いも)を相(あひ)見ず、家(いへ)恋(こ)ひ居(を)らむ
意味
玉纒(たままき)の田んぼにいつまでいて、妻に逢えずに家を恋しく想うことでしょうか。
・太刀(たち)の後(しり)で、玉纒(たままき)を導いています。
・田んぼでの作業が終わるまでは何日も家に帰れないのですね。。
補足
[秋の相聞]のひとつで、この歌をふくむ2244番歌の題詞に「水田(こなた)に寄する」とあります。
・太刀(たち)の後(しり)は、刀の鞘(さや)の先端をいうようです。その部分には装飾がほどこされることから、玉纒(たままき:玉を巻きつけた飾り)を導いていると考えられます。同時に、この歌に詠まれている玉纒(たままき)は地名を指しているようですが、どこなのかははっきりしていません。