第十巻 : はだすすき穂には咲き出ぬ恋をぞ
2002年8月18日(日)更新
原文: 皮為酢寸 穂庭開不出 戀乎吾為 玉蜻 直一目耳 視之人故尓
作者: 不明
よみ: はだすすき、穂には咲き出ぬ、恋をぞ我(あ)がする、玉かぎる、ただ一目のみ見し人ゆゑに
意味: (はだすすきの穂に咲き出ないような)ひそかな恋を私はします。ただ、一度だけお会いした方なのに。
「はだすすき」は、「花すすき」のことで、穂が出始めたばかりのすすき(尾花のこと)のことを表していると考えられています。
「玉かぎる」は、"玉がキラッと輝く"ことから、「一目」を導いている枕詞(まくらことば)です。
第十巻