原文
天地乎 歎乞祷 幸有者 又反見 思我能韓埼
作者
穂積老(ほずみのおゆ)
よみ
天地(あめつち)を 嘆き祈(こ)ひ祷(の)み 幸(さき)くあらば またかへり見む 志賀(しが)の唐崎(からさき)
意味
天地の神に嘆きつつ祈って、もし無事でいられたら再び戻って見よう、この志賀(しが)の唐崎(からさき)を。
- rough meaning: If I could come back safely bymourning and praying God of heaven and earth, I want to see this Karasaki in Shiga.
補足
・この歌の左注には「右二首 但しこの短歌は、或書(あるしょ)に云はく穂積朝臣老(ほずみのあそんのおゆ)の佐渡に配(なが)されし時に作る歌といふ」とあります。
・穂積朝臣老(ほずみのあそんのおゆ)は、養老6年(西暦722年)に元正天皇を批判した罪で佐渡に流されました。なお、天平12年(西暦740年)には恩赦で京に戻ることができました。
[NOTE] The author was exiled to Sado Island for criticizing the Empress Gensho in the 6th year of Yoro (722 AD). In the 12th year of Tenpyo (740 AD), he was able to return to Kyoto with a pardon.