第三巻 : 我が行きは久にはあらじ夢のわだ
2009年12月20日(日)更新 |
原文: 吾行者 久者不有 夢乃和太 湍者不成而 淵有乞 作者: 大伴旅人(おおとものたびと) よみ: 我が行きは、久(ひさ)にはあらじ、夢(いめ)のわだ、瀬にはならずて、淵(ふち)にありこそ |
意味: 私の大宰府の赴任暮らしも、もう長くはないでしょう。夢(いめ)のわだは瀬にならずに、淵(ふち)のままであってほしいものです。 大伴旅人(おおとものたびと)が太宰府(だざいふ)の長官として赴任している時に、吉野のことを懐かしんで詠んだ歌です。 天平2年(730)に奈良に戻りますが、翌年の7月25日にこの世を去っています。懐かしんだ吉野の「夢(いめ)のわだ」を再び見ることができたのでしょうか。 |