第三巻 : この夕柘のさ枝の流れ来ば
2009年05月24日(日)更新 |
原文: 此暮 柘之左枝乃 流来者 ■者不打而 不取香聞将有 作者: 不明 よみ: この夕(ゆふへ)、柘(つみ)のさ枝(えだ)の、流(なが)れ来(こ)ば、梁(やな)は打(う)たずて、取(と)らずかもあらむ |
意味: この夕べに柘(つみ)の枝が流れて来たら、梁(やな)をかけないで、取らないかもしれないです。 「梁(やな)」は、魚を捕(と)るために川に作るしかけのことです。 |
この歌を詠む元になったお話があります。「吉野の味稲(うましね)という人が吉野川で梁(やな)にかかった柘(つみ)の枝を家に持って帰ったところ、それが美女に変身したので、妻にしましたが、その後、天に昇っていった。」というものです。 |