原文

不所見十方 孰不戀有米 山之末尓 射狭夜歴月乎 外見而思香

作者

満誓沙弥(まんぜいさみ)

よみ

見えずとも 誰(た)れ恋ひざらめ 山の端(は)に いさよふ月(つき)を 外(よそ)に見てしか

意味

月の出 by 写真AC

(月の)姿が見えなくても誰が恋しないでいられましょうか。山の端に出かかっている月(つき)を遠くからでも見たいものです。

・「まだ見たことのない女性だけど、直接には会えなくても、遠くからでも見たいもの」と詠んだ歌と想像できます。

- rough meaning: Anyone will want to see the moon even if they can't see it. I want to see the moon on the edge of the mountain even from a distance.(I haven't seen her yet, but I want to see her from a distance, even if I can't meet her in person.)

補足

・この歌の題詞に「満誓沙弥(まんぜいさみ)月(つき)の歌一首」とあります。

更新日: 2021年11月21日(日)