原文
不所見十方 孰不戀有米 山之末尓 射狭夜歴月乎 外見而思香
作者
よみ
見えずとも 誰(た)れ恋ひざらめ 山の端(は)に いさよふ月(つき)を 外(よそ)に見てしか
意味
(月の)姿が見えなくても誰が恋しないでいられましょうか。山の端に出かかっている月(つき)を遠くからでも見たいものです。
・「まだ見たことのない女性だけど、直接には会えなくても、遠くからでも見たいもの」と詠んだ歌と想像できます。
- rough meaning: Anyone will want to see the moon even if they can't see it. I want to see the moon on the edge of the mountain even from a distance.(I haven't seen her yet, but I want to see her from a distance, even if I can't meet her in person.)
補足
・この歌の題詞に「満誓沙弥(まんぜいさみ)の月(つき)の歌一首」とあります。