吾妹兒尓 戀為便名鴈 る乎熱 旦戸開者 所見霧可聞
不明
我妹子(わぎもこ)に、恋(こ)ひすべながり、胸を熱み、朝戸(あさと)開(あ)くれば、見ゆる霧(きり)かも
あの娘のことが恋しくて、どうしていいかわからず、胸が焦がれるので、朝、戸を開けてみると、霧(きり)がたち込めています。
「すべながり」は、どうしていいかわからない、というような意味です。
「朝、戸を開けてみると、私の熱い吐息が霧(きり)のようです。」と考えても良いかもしれません。