原文

木綿疊 田上山之 狭名葛 在去之毛 今不有十万

さなかづら 撮影(2010) by きょう

作者

不明

よみ

木綿畳(ゆふたたみ)、田上山(たなかみやま)の、さな葛(かづら)、ありさりてしも、今ならずとも

意味

田上山の、その山にあるさな葛(かづら)が伸びるように、このまま時が過ぎても、今じゃなくても。(いつか逢いたい...)

木綿畳(ゆふたたみ)は、木綿(ゆふ:楮(こうぞ)などで作った布)を畳んだもので、神に捧げるものとして使われるそうです。そのことから、手向(たむ)け、田上(たなかみ)を導く枕詞(まくらことば)として使われます。

補足

田上山は、現在の滋賀県大津市の田上山(太神山を中心とした山々の総称)と考えられています。

更新日: 2015年11月15日(日)