原文
木綿疊 田上山之 狭名葛 在去之毛 今不有十万
作者
不明
よみ
木綿畳(ゆふたたみ)、田上山(たなかみやま)の、さな葛(かづら)、ありさりてしも、今ならずとも
意味
田上山の、その山にあるさな葛(かづら)が伸びるように、このまま時が過ぎても、今じゃなくても。(いつか逢いたい...)
木綿畳(ゆふたたみ)は、木綿(ゆふ:楮(こうぞ)などで作った布)を畳んだもので、神に捧げるものとして使われるそうです。そのことから、手向(たむ)け、田上(たなかみ)を導く枕詞(まくらことば)として使われます。
補足
田上山は、現在の滋賀県大津市の田上山(太神山を中心とした山々の総称)と考えられています。