原文
丹波道之 大江乃山之 真玉葛 絶牟乃心 我不思
作者
不明
よみ
丹波道(たにはぢ)の、大江(おほえ)の山の、さな葛(かづら)、絶えむの心、我(わ)が思はなくに
意味
丹波道(たにはぢ)の、大江(おほえ)の山の、さな葛(かづら)のように、(あなたとの間を)絶とうと思う心など、私は持ってはいません。
・丹波道(たにはぢ)は奈良と京都の丹波を結ぶ道です。また、大江(おほえ)の山は、現在の京都市西京区と亀岡市の境にある、標高が480メートルの大枝山(おおえやま)とされています。
・さな葛(かづら)は、長く伸び続けて行くので、「絶えない」ことを表現するのに詠まれたと思われます。
補足
「物に寄せて思ひを陳(の)ぶる」歌の一つです。