原文
美豆等利乃 多知能已蘇岐尓 父母尓 毛能波須價尓弖 已麻叙久夜志伎
作者
有度部牛麻呂(うとべのうしまろ)
よみ
水鳥(みづとり)の、立ちの急ぎに、父母(ちちはは)に、物言(もの)はず来(け)にて、今ぞ悔(くや)しき
意味
水鳥(みづとり)が飛びたつように慌(あわただ)しく支度をして、父母(ちちはは)にちゃんと別れを言わずに来てしまったので、今はそれが悔やまれます。
- rough meaning: I have come here without saying goodbye to my parents as if a waterfowl rushes and flies away, so now I regret it.
補足
天平勝宝7年(西暦755年)2月9日、駿河國(するがのくに)の防人部領使守(さきもりぶりょうしかみ)従五位下の布勢朝臣人主(ふせのあそんひとぬし)が提出した20首の防人(さきもり)の歌のひとつです。