原文

美知乃倍乃 宇万良能宇礼尓 波保麻米乃 可良麻流伎美乎 波可礼加由加牟

作者

丈部鳥(はせつかべのとり)

よみ

豆 撮影 by きょう

道の辺(へ)の、茨(うまら)のうれに、延(は)ほ豆(まめ)の、からまる君(きみ)を、はかれか行かむ

意味

野茨(のいばら) 撮影 by きょう

道端のうまら(ノイバラ)の先に絡(から)みつく豆(まめ)のように、私に絡みつく君をおいて別れゆく。

・天平勝宝(てんぴょうしょうほう)7年(西暦755年)2月9日に、上総國(かずさのくに)の防人(さきもり)を引率する役人である茨田連沙弥麻呂(まむたのむらじさみまろ)が進上したとされる歌の一つです。防人(さきもり)として選ばれた丈部鳥(はせつかべのとり)という人が、奥様との別れを惜しんで詠んだ歌です。「行かないで。」と絡みつく奥様の様子が痛ましく感じられます。

- rough meaning: How could I leave behind my wife clinging me like the beans entwining the end of the roadside Umara(Rosa polyantha)? But I have to start to go.

補足

更新日: 2019年05月06日(月)