第二十巻 : ひさかたの雨は降りしくなでしこが

2006年04月30日(日)更新


原文: 比佐可多能 安米波布里之久 奈弖之故我 伊夜波都波奈尓 故非之伎和我勢

作者: 大伴家持(おおとものやかもち)

よみ: ひさかたの、雨(あめ)は降(ふ)りしく、なでしこが、いや初花(はつはな)に、恋(こひ)しき我(わ)が背(せ)

意味: 空からの雨(あめ)は降り続きますけど、咲いたばかりのなでしこのように恋しく思われるあなた様です。

天平勝宝7年(西暦755)5月9日に大伴家持(おおとものやかもち)の邸宅で催された宴(うたげ)のときに詠まれた歌四首のうちのひとつです。

「ひさかたの」は「雨」を導く枕詞(まくらことば)です。

撮影(2003) by きょう

大監物(だいけんもつ)は、大蔵(おおくら)省、内蔵(くら)省などの出納(すいとう)に立ち会い、倉庫の鍵を預かる監査役(かんさやく)だそうです。なお、倉庫の鍵は女官が管理していたとのことです。


第二十巻