第二十巻 : 秋風の末吹き靡く萩の花

2009年11月08日(日)更新


原文: 秋風乃 須恵布伎奈婢久 波疑能花 登毛尓加射左受 安比加和可礼牟

作者: 大伴家持(おおとものやかもち)

よみ: 秋風(あきかぜ)の、末(すゑ)吹き靡(なび)く、萩(はぎ)の花、ともにかざさず、相(あひ)か別れむ

意味: 秋風(あきかぜ)に吹きなびいている萩(はぎ)の花を共に髪に挿(さ)すことなく別れてゆくのですね。

萩 撮影(2006.08) by きょう

天平宝字2年(西暦758年)7月5日に、大原今城真人(おおはらのいまきのまひと)の邸宅で大伴家持(おおとものやかもち)の送別会を催したときに、大伴家持(おおとものやかもち)が詠んだ歌です。

大伴家持(おおとものやかもち)は、因幡守(いなばのかみ)に任じられて、都を去ってゆきました。因幡(いなば)の国は現在の鳥取県東部にあたります。


第二十巻