原文 Original Text
芳野河 逝瀬之早見 須臾毛 不通事無 有巨勢<濃>香問
作者 Author
弓削皇子(ゆげのみこ) Yuge-no-Miko(Prince Yuge)
よみ Reading

吉野川(よしのかは) 行く瀬の早み しましくも 淀(よど)むことなく ありこせぬかも
- Yoshinokaha Yukuse no hayami Shimashiku mo Yodomu koto naku Arikosenu kamo.
意味 Meaning

吉野川の流れが早いところはすこしの間でも流れがとどまることのないように、あなたにずっと止まることなくお会いできないものでしょうか。
・この歌は、弓削皇子(ゆげのみこ)が紀皇女(きのひめみこ:弓削皇子の異母姉妹)のことを想って詠んだ歌四首の一つです。
- rough meaning: I wish I could see you without stopping, just like the Yoshino River never stops flowing for even a moment in its swift current.
補足 Notes
・この歌の題詞に、「弓削皇子(ゆげのみこ)の紀皇女(きのひめみこ)を思(し)のふ御歌(みうた)四首」とあります。