原文
御笠山 野邊徃道者 己伎太雲 繁荒有可 久尓有勿國
作者
笠朝臣金村(かさのあそんかなむら)歌集より
よみ
御笠山(みかさやま)、野辺(のへ)行く道は、こきだくも、繁(しげ)く荒れたるか、久(ひさ)にあらなくに

意味
御笠山(みかさやま)の野辺を行く道は、こんなにも草が茂って荒れてしまいました。(亡くなられてから)そんなに時が経っていないのに。
志貴親王(しきのみこ)が亡くなられたときに詠んだ歌です。
補足
この歌を含む長歌の題詞には「霊龜(れいき)元年(西暦715年)、歳次乙卯(さいしいっぽう)の秋九月、志貴親王(しきのみこ)が薨(こう)ずる時に作る歌一首 ならびに短歌」とあります。