古典文学とXML(万葉集の構造を考えましょ)

2000年9月17日(日)更新


■「万葉集」の「目次」構造を考えましょう

たけち: さてと。。。じゃぁ、まずは「目次の構造」を考えよう。まずは「万葉集の目次」がどんなものなのかをみてみようね。

さらら: そうね。実際のことろ、「目次」はあんまりじっくりとは見たことが無いわ。どんな風になっていたかしら。。。。あらら・・・思っていたよりごちゃごちゃしているわね。どうしましょ。

■「目次」はシンプルにしましょう

たけち: 図に注をいれておいたから、よく見てごらん。最初は「巻1のタイトル:万葉集巻第一」があるね。それから・・・? どんなことが書いてあるか読み上げていってごらん。

さらら: うっ、うん。えっ〜と・・・「雑歌(ぞうか)」ってあるから「歌の種類」といっていいわね。それから、「泊瀬朝倉宮御宇天皇代(はつせのあさくらのみやにあめのしたしらしめししすめらみことのみよ)」ってあるから「雄略天皇(ゆうりゃく)の代」だわね。その直後のは、「天皇御製歌(てんのうのおほみうた)」だから・・・(^ ^; たけちぃ〜。

たけち: これは、あとの「高市岡本宮御宇天皇代」の後ろにある、

  • 天皇登香具山望國之時御製歌
  • 天皇遊猟内野之時中皇命使間人連老獻歌
  • 幸讃岐國安益郡之時軍王見山作歌

たけち: と同じと考えてよくって、「歌の題目/タイトル」って思っていいんじゃないかな。図に書いたけど、これをまとめて、「歌リスト」って見ることもできるよね。必ずしもそのように考える必要は無いけど。

さらら: そっか。図には途中までしか載ってないけど、あとは同じようになっているのね。

たけち: そうそう。。。。。じゃ、今回は、前回の図に「目次」の構造を追加するよ。

たけち: どう。さららが目次を読んだとおりに図にしてみたんだよ。もっと単純に「目次の段落が並んでいるだけの構造」って考えることもできるけど、今回はできるだけオリジナルに沿うように作ってみました。

さらら: そうかぁ・・・・目次はもっと簡単に書かれているかと思ったけど、意外に複雑なのね。ねぇねえ。目次の構造図の中で、「歌の種類」と「天皇の代」が緑色の四角で囲ってあるのはどういう意味なの?

たけち: あっ、さっ、さすがにさらら。気づかれてしまったか・・・(^ ^; 凡例に書いたけど、「0かひとつ出現する要素(タグ)」を表そうと、ぼく(たけち)が勝手に決めたんだ。というのは、万葉集のすべての巻の目次を見ると、「歌の種類」と「天皇の代」は必ずでてくるわけではないんだ。だから・・・

さらら: あっ、そうなんだ。いままで、構造っていうとそこにかかれているタグはそこに必ず出てくるものだって思い込んでいたわ。

たけち: そうなんだ。またひとつ理解が増えたね。じゃあ、次はいよいよ「本文」を見ていこうね。

さらら: は〜い。 (*^ ^*)

→ 次は「万葉集」の「本文」の構造を考えましょう(その1)です。 (^ ^;


注 1) 万葉集の構造をだいたい考えたら、そのあとでDTD: Document Type Definitionの記載に移ります。DTDの書き方などの詳細は、そのときにご説明いたします。