古典文学とXML(万葉集の構造を考えましょ)

2000年9月24日(日)更新


■「万葉集」の「本文」の構造を考えましょう(その1)

たけち: やっと「本文の構造」を考えるところまできたよね。まずは「万葉集の本文」がどんなものなのかをみてみようね。「巻第一」の本文を図に載せるね。

さらら: 目次よりはずっ〜と複雑なんでしょ。うまく整理ができるのかしら。。。。

たけち: そうだね。でもひとつずつ見ていけばそんなに難しくはないよ。まずは「万葉集の本文」がどんなものなのかをみてみようね。「巻第一」の本文を図に載せるね。

■「巻1」からみていきましょう

たけち: ここでも図に注をいれておいたから、よく見てごらん。最初は目次と同じように「巻1のタイトル:万葉集巻第一」があるね。それから・・・? 目次の時と同じようにどんなことが書いてあるか読み上げていってごらん。

さらら: うっ、うん。えっ〜と・・・「雑歌(ぞうか)」ってあるから「歌の種類」といっていいわね。それから、「泊瀬朝倉宮御宇天皇代(はつせのあさくらのみやにあめのしたしらしめししすめらみことのみよ)」ってあるわね。これは目次のときと同じで「天皇の代」ってしていいかしら。その下に「大泊瀬稚武天皇(おおはつせわかたけのすめらみこと)」ってあるのは「天皇名」だわね。その直後のは、「天皇御製歌(てんのうのおほみうた)」だから・・・「歌のタイトル(題詞)」だと思っていいわね。どうかしら。。。。

たけち: そうだね。目次に少し似ているところがあるよね。「天皇の代」は今回はちょっと無視しておこうね。最終的にはどうするか考えなくてはいけないんだけど。それから?

さらら: え〜っと・・・それから「」があって、また「天皇の代」が出てくるわ。だから、「天皇の代」「歌のタイトル(題詞)」「」が繰り返されているわ。図にすると板のような感じかしら…

たけち: そうそう。。。。。だいたいいいんじゃないかな。じゃ、さららの書いてくれた図を元に、前回の「目次」を含んだ図に本文の構造を追加するよ。

さらら: あっ、「歌の種類」と「天皇の代」を「目次」のときと同じように緑色の四角で囲ってあるのね。

たけち: そうそう。上の図では分からないけど、万葉集のすべての歌に、「歌の種類」と「天皇の代」が必ずでてくるわけではないんだ。それから、さららが書いてくれた図の繰り返す部分を「歌群」としてまとめておいたよ。

さらら: ねぇ。。。たけちは本文は目次よりずっ〜と難しいって言ってたけど、これまでのところそんな感じはしないんだけど・・・

たけち: 実は、そうなんだ。もうすこしずつ万葉集全体を見て行くと「どうしよう」ってことがあるんだよ。それに、もともとの目的に添ったような構造作りは「歌」の内容構造を考えないといけないんだ。

さらら: そっか。そうだったわね。最初の方で「どうしてXML」にするのかを説明してくれたことがこれくらいのタグだと表現されていないわね。

たけち: そうそう。次回はちょっとそこいらも考えてみようね。

さらら: うん。。。。 (*^ ^*)

→ 次は「万葉集の構造」を考えましょう、その4:万葉集の「歌」の構造を考えましょうです。 (^ ^;


注 1) 万葉集の構造をだいたい考えたら、そのあとでDTD: Document Type Definitionの記載に移ります。DTDの書き方などの詳細は、そのときにご説明いたします。