古典文学とXML(万葉集の構造を考えましょ)

2000年10月1日(日)更新


■「万葉集」の「歌」の構造を考えましょう

たけち: きょうは「歌の構造」を考えてみようね。万葉集の歌のテキストは、「たのしい万葉集」にあるから必要なときにはそれを見れば良いね。

さらら: ちょっと待ってね。。。。「歌の構造」ってどういうこと? <p>タグのようなものじゃダメなの?

たけち: それは、「■単純な「万葉集テキスト」じゃ、だめなの?」ってところで説明したよね。

さらら: あっ、そっか・・・ (^ ^; すっかり忘れてたわ。。。おなじ「明日香」でも、「人名」なのか「地名」なのかなどを区別するようにするんだったわね。。。

■「歌」にどんな情報があるでしょうか

たけち: じゃあ、まずは「歌」にどんな情報があるのか考えてみよう。さららは何か思いつくかい?

さらら: うっ、うん。えっ〜と・・・いま言ったみたいに「地名」があるわね。それから。。。。作者名・草花の名前・季節。。。。。

たけち: そうだね。さららの言ったのはそれでいいね。もっといろいろなことがあると思うから次にリストしてみようか・・・・・

  • 歌の種類(雑歌(ぞうか)・挽歌(ばんか)・相聞歌(そうもんか)・譬喩歌(ひゆか)・・・・)
  • 作者名
  • 贈答者名
  • 人名
  • 草花名
  • 動物名
  • 季節(春・夏・秋・冬)
  • 自然(雨・風・雲・雪・・・・・・)
  • 状況(野遊び・国見・行幸・宴席・うわさ・みやげ・夢・七夕・・・・)
  • 感情(恋心・悲しみ・喜び・怒り・嘲笑・恐れ・望郷・寂しさ・・・・・)
  • 枕詞(まくらことば)
  • 年月日
  • その他

さらら: あぁ、こうしてみると意外にあるのね。もっともっとあるような気もしてきたわ。

たけち: そうそう。リストでは「その他」なんてしちゃったけど、もっといろいろとありそうだね。これらについてや、情報の整理の仕方については万葉集の専門の方にアドバイスをいただきたいね。

さらら: それで、これからどうすればいいの?

たけち: じゃあこれまで考えたことを、ひとつの歌を例にして見てみようか。それで、どのように「歌」の構造、というか実際にはタグづけしていったらいいかを考えよう。

さらら: うん。。。。 (*^ ^*) 

たけち: さてと・・・・どの歌にしようかなぁ。。そうだ、額田(ぬかた)の歌にしよう。

たけち: どう? だいたい対応の感じはわかるかな?

さらら: うん。実際には、「熟田津(にきたつ)」を<地名>のタグで、「月」「潮」を<自然>のタグでそれぞれ囲めば良いのよね。

たけち: そうそう。

さらら: でも、歌の全体を囲って示してある「作者名=額田王」や「年月日=斉明天皇7年正月」なんかはどうしたらいいのかしら。もともとの「万葉集」にはないテキストを勝手に追加するのも変だわよね・・・

たけち: そうだね。さららの言うとおりだと思うよ。だから、「作者名」や「年月日」は「歌」の属性にするといいんじゃないかな。

さらら: えっ?! 属性??

→ 次は万葉集の「歌」の構造を考えましょう:その2です。 (^ ^;