XMLの標準にはどんなものがあるの?

2001年9月2日(日)更新


■XML標準の関連

さらら: ねぇ、たけち。最近は本当にいろいろなところで、○○でXMLを採用、とかのニュースを見たりするわね。でも、SOAPだとか、ebXMLとか、聞いたことの無い名前がでてくるんだけど、これってXMLやXHTMLとはどういう関係なの? あんまりたくさんあるんで訳がわかんないわ。

たけち: そっ、そうだね (^ ^; ほんとうにいろいろな"XML"がでてきて、とても全部は見ていられないね。僕もそんなに見ていなかったけど、さららの疑問で少し調べてみようって気になったよ。

さらら: あっ、じゃあ調べて教えてくれるのね!!

たけち: うっ、うん・・・でも、たまにはいっしょに調べてみようよ。ねっ、さらら。

さらら: あっ、そっ、そうね。じゃあ、どんなことをどんな風に調べたらいいのかを教えてね。。。。。

さらら

たけち: じゃあ、まずは「XMLの標準」といってもどんなものがどんな風に関係しているかを見ておこうね。

さらら: うん。

たけち: 次の図に、XML標準として三つに区分をして考えて行こう。それぞれの言葉はこのページで適当に付けた名前だからね。それに、それぞれにどの標準が当たるかは見方によって少し違うことがあるからね。

XML標準の関連(概要)

さらら: とにかく、すべてのXML標準の元になっているのが、XML 1.0なのね。

たけち: そうそう。基本中の基本ってことだね。それをベースにして、「基本標準」や「アプリケーション標準」があるんだね。さららがさっき言っていたSOAPやebXMLは「アプリケーション標準」だね。

さらら: うん。「業界」ってなあに?

たけち: ここでは、例えば、半導体業界・建設業界・金融業界などの業種ごとの企業の集まりや教育機関・官公庁などの特定の分野の機関や組織のことを言っているんだ。

さらら: そういうことなの。それぞれの業界での情報のやりとりなんかにXMLを使うってことなのね。

さらら


■基本標準にはどんなものがあるの?

たけち

たけち: 今回は、色々な「アプリケーション標準」のベースともなる「基本標準」について見てゆこうね。

さらら: は〜い。で、どんなのがあるのかしら。

たけち: もう、さららが知っているものがあるよ。思い出してご覧。

さらら: ということは、XHTML, XPath, DOM, XSL, XSLTなどのことね。それくらいしか知らないけど。。。。 (^ ^;

たけち: これまで勉強してきたことだものね。他にどんなものがあるかを、W3Cのホームページなどを中心に調べてみようかな。。。。まずは、W3Cのページは次のURLだよ。。

W3Cのページ

たけち: W3CのXMLに関する標準は次のようなものがあることが分かるね。W3Cのようにアルファベット順に並べてみよう。


■W3CでのXML関連標準■

・Canonical XML: http://www.w3.org/TR/xml-c14n
同一の内容を示すXMLドキュメントの表記が同一になるように、表記方法(正規形)を定めた仕様です。
・DOM(Document Object Model): http://www.w3.org/DOM/
XMLドキュメントをソフトウェアで扱うためのモデルとインターフェイスの仕様です。
・MathML(Mathematical Markup Language): http://www.w3.org/TR/MathML2/
数式を表現するものです。現在はVersion 2が勧告となっている。
・Namespaces in XML: http://www.w3.org/TR/REC-xml-names/
複数のXMLによる構造(タグや属性)を混在させて使用するための仕様です。
・P3P(Platform for Privacy Preferences): http://www.w3.org/TR/P3P/
個人のプライバシー情報を扱うための仕様です。
・PICS(Platform for Internet Content Selection): http://www.w3.org/PICS/
WEBコンテンツの属性をXMLで表現するための仕様です。
・RDF(Resource Description Framework): http://www.w3.org/RDF/
XMLで表現するドキュメント、データ、サービスなどの情報を記述するための仕様です。
・SMIL(Synchronized Multimedia Integration Language): http://www.w3.org/TR/smil20/
マルチメディアのレイアウトや時間的な動作を表現(たとえば、音楽と映像を同期させるなど)するための仕様です。
・SOAP(Simple Object Access Protocol): http://www.w3.org/TR/SOAP/
ネットワーク経由でリクエスト/レスポンスを表わすXMLテキストをHTTPなどでやり取りすることでソフトウェアオブジェクト間の通信を行う。
・SVG(Scalable Vector Graphics): http://www.w3.org/TR/SVG/
二次元図形を表現する仕様です。米国アドビ社などの提案によってできました。
・Voice XML: http://www.w3.org/Voice/
自動電話応答システムなどの音声を利用したシステムのための仕様です。VoiceXMLフォーラムが仕様を策定しました。
・XForms: http://www.w3.org/TR/xforms/
これまでのHTMLにあったFORMに代わる次世代のFORMの仕様です。
・XHTML(eXtensible HyperText Markup Language): http://www.w3.org/TR/xhtml1/
HTMLをXML仕様に合うように定義しなおした仕様です。
・XHTML Basic: http://www.w3.org/TR/xhtml-basic
XHTMLをモバイル(携帯電話ほか)などの用途のために機能を絞り込んだ使用です。
・XLink(XML Linking Language): http://www.w3.org/TR/xlink/
XMLドキュメント同士の(双方向)リンクを生成したり表現するための仕様です。
・XML Base: http://www.w3.org/TR/xmlbase/
イメージやスタイルシートなどへのリンクの相対URIを解決(絶対URIに)するための仕様です。
・XML Encryption: http://www.w3.org/TR/xml-encryption-req
XMLの暗号化の仕様です。現在は要求レベルの仕様が公開されています。
・XPath(XML Path Language): http://www.w3.org/TR/xpath
XMLドキュメントの要素や属性、文字列などを指し示すための仕様です。
・XPointer(XML Pointer Language): http://www.w3.org/TR/xptr
XMLドキュメント間のリンクのリンク先の指定方法に関する仕様です。XPathを使用しています。
・XML Protocol Abstract Model: http://www.w3.org/TR/xmlp-am/
XMLを利用した情報通信についての、特定の実装に依存しないモデルの仕様です。
・XML Schema: http://www.w3.org/TR/xmlschema-0/
XMLで表現するドキュメントやデータの構造・意味の表現方法を決めています。従来のDTD(Document Type Definition)のかわりになるものとして考えられました。
・XML-Signature Syntax and Processing: http://www.w3.org/TR/2001/PR-xmldsig-core-20010820/
XMLドキュメントの暗号化・認証をするための仕様です。
・XML Query: http://www.w3.org/XML/Query
XMLドキュメントの検索に関する仕様です。
・XSL(eXtensible Stylesheet Language): http://www.w3.org/TR/xsl/
XMLドキュメントを表示・印刷表現するための仕様です。
・XSLT(XSL Transformations): http://www.w3.org/TR/xslt
XMLドキュメントの変換ルールを指定する。

さらら: ふう〜ん。そうなんだ。。。。。いっぱいあるわねぇ〜。それぞれどんなものなのか、どんな風に関連しあっているのかは、これだけじゃ分からないわ。

たけち: そうだね。それに、今回はW3CのXML標準化の活動について見ただけだけど、他の組織も色々とXMLに関連した仕様を検討・策定しているからね。

さらら: えぇ〜。じゃあ、本当にたくさんあるってことなのね!!

たけち: うん。だから、それぞれをもう少し詳しく調べながらそれらの関係を見てゆこうね。次回からは、XMLの標準の他のものについても見てみよう。それからそれぞれについて順に調べてゆこうね。勉強した結果、それぞれがどの役割なのかがわかると思うから。

さらら: うん!! いっしょに勉強しましょ。

次回は■XML基本標準の関連です。 .... (^ ^*

さらら