第八巻 : 昼は咲き夜は恋ひ寝る合歓木の花
2002年5月26日(日)更新 |
原文: 晝者咲 夜者戀宿 合歡木花 君耳将見哉 和氣佐倍尓見代 作者: 紀女郎(きのいらつめ) よみ: 昼は咲き、夜は恋ひ寝る、合歓木(ねぶ)の花、君のみ見めや、戯奴(わけ)さへに見よ |
意味: 昼に咲いて、夜には恋しい想いを抱いて寝るという合歓(ねむ)の花を私だけに見させないで。ほら、君もここに来て見なさいな。 紀女郎(きのいらつめ)が、大伴家持(おおとものやかもち)に贈った歌です。紀女郎は、年上の人妻。戯奴(わけ)、というのは目下の人を呼びかける言葉です。若い大伴家持をちょっとからかったような歌ですね。 |