原文
吾屋前之 花橘乃 何時毛 珠貫倍久 其實成奈武
作者
よみ

我(わ)が宿(やど)の、花橘(はなたちばな)の、いつしかも、玉(たま)に貫(ぬ)くべく、その実(み)なりなむ
意味
私の庭の橘(たちばな)は、いつになったら、玉(たま)にして通せるくらいの実になるのでしょう。
補足
この歌に詠まれている「玉(たま)」は、5月5日に使われた薬玉(くすだま)と考えられています。薬玉(くすだま)は病気にならないためのおまじないに使われたものだそうです。橘(たちばな)だけでなく、香りの強い植物が使われたとのことです。
この歌の題詞には「大伴家持(おおとものやかもち)の橘(たちばな)の歌一首」とあります。