原文

吾屋前之 花橘者 落過而 珠尓可貫 實尓成二家利

作者

大伴家持(おおとものやかもち)

よみ

橘の実(平安神宮にて) 撮影(2004.11) by きょう

我(わ)が宿(やど)の、花橘(はなたちばな)は、散り過ぎて、玉に貫(ぬ)くべく、実になりにけり

意味

私の庭の橘(たちばな)は、散って、玉(たま)にして通せるくらいの実になりました。

補足

この歌に詠まれている「玉(たま)」は、5月5日に使われた薬玉(くすだま)と考えられています。薬玉(くすだま)は病気にならないためのおまじないに使われたものだそうです。橘(たちばな)だけでなく、香りの強い植物が使われたとのことです。

この歌の題詞には「大伴家持(おおとものやかもち)橘(たちばな)の花を惜しむ歌一首」とあります。

更新日: 2016年02月07日(日)