原文
久方之 漢<瀬>尓 船泛而 今夜可君之 我許来益武
作者
よみ
久方(ひさかた)の天の川瀬(かはせ)に、舟浮けて、今夜(こよひ)か君が、我(わ)がり来(き)まさむ
意味
天の川の瀬に、船を浮かべて、今夜はあなた様が私のところへいらっしゃるかしら。
「久方の」は「天(あま)」を導く枕詞(まくらことば)です。
補足
この歌の題詞には「山上憶良(やまのうえのおくら)の七夕の歌十二首」とあります。
この歌の左注には「右、神亀元年(西暦724年)七月七日夜、左大臣(ここでは長屋王のこと)の宅」とあります。