原文

鶉鳴 古郷之 秋芽子乎 思人共 相見都流可聞

作者

沙弥尼(さみに)

・沙弥尼(さみに)は女性の出家者を指します。

よみ

鶉(うづら)鳴く 古(ふ)りにし里の 秋萩(あきはぎ)を 思ふ人どち 相(あい)見つるかも

- Uzura naku Furini shi Satono Akihagi wo Omou hito dochi Ai mitsuru kamo

意味

萩 by 写真AC

鶉(うづら)が鳴く古里の秋萩(あきはぎ)を懐かしい友と一緒に見ることができましたね。

・「古(ふ)りにし里」は明日香の豊浦寺(とゆらでら)のことです。

- rough meaning: I was able to see the autumn bush clover of my hometown(Asuka) where Uzura(Japanese quail) singing with old friends.

補足

・この歌を含む1557番歌の題詞に、「故郷(ふるさと:ここでは明日香)の豊浦(とゆら)の寺の尼(あま)の私房(しぼう)にして宴(うたげ)する歌三首」とあります。

更新日: 2022年09月11日(日)