原文
鶉鳴 古郷之 秋芽子乎 思人共 相見都流可聞
作者
沙弥尼(さみに)
・沙弥尼(さみに)は女性の出家者を指します。
よみ
鶉(うづら)鳴く 古(ふ)りにし里の 秋萩(あきはぎ)を 思ふ人どち 相(あい)見つるかも
- Uzura naku Furini shi Satono Akihagi wo Omou hito dochi Ai mitsuru kamo
意味
鶉(うづら)が鳴く古里の秋萩(あきはぎ)を懐かしい友と一緒に見ることができましたね。
・「古(ふ)りにし里」は明日香の豊浦寺(とゆらでら)のことです。
- rough meaning: I was able to see the autumn bush clover of my hometown(Asuka) where Uzura(Japanese quail) singing with old friends.
補足
・この歌を含む1557番歌の題詞に、「故郷(ふるさと:ここでは明日香)の豊浦(とゆら)の寺の尼(あま)の私房(しぼう)にして宴(うたげ)する歌三首」とあります。