頃者之 朝開尓聞者 足日木篦 山呼令響 狭尾壮鹿鳴哭
大伴家持(おおとものやかもち)
このころの、朝明(あさけ)に聞けば、あしひきの、山呼び響(とよ)め、さを鹿鳴くも
この頃、明け方に聞くと、山を響かせて牡鹿(おじか)が鳴いています。
この歌は題詞にある「大伴宿祢家持の鹿が鳴くのを詠んだ歌二首」のひとつです。
この歌の左注に「右二首、天平十五年(西暦743年)癸未(みずのとひつじ)八月十六日作」とあります。