原文
荒玉之 月立左右二 来不益者 夢西見乍 思曽吾勢思
作者
坂上郎女(さかのうえのいらつめ)
よみ
あらたまの、月(つき)立(た)つまでに、来(き)まさねば、夢(いめ)にし見つつ、思(おも)ひぞ我(わ)がせし

意味
月がかわっても、いらっしゃらないので夢に見て(あなたさまのことを)恋しく思っていました。
「あらたまの」は、月や年を導く枕詞(まくらことば)です。
補足
天平11年(西暦739年)8月、大伴家持(おおとものやかもち)からの歌に応えた歌です。
「月(つき)立(た)つ」は、新月になることで暦の月が改まることをいいます。「月立ち」から「ついたち」に変化したと考えられています。