原文
多知婆奈能 登乎能多知婆奈 夜都代尓母 安礼波和須礼自 許乃多知婆奈乎
作者
元正上皇(げんしょうじょうこう): Empress Gensho
よみ
橘(たちばな)の とをの橘(たちばな) 八(や)つ代(よ)にも 我(あ)れは忘れじ この橘(たちばな)を
意味
橘(たちばな)の、枝にたわわに実った橘(たちばな)のこと、いついつまでも私は忘れることはないでしょう。この橘(たちばな)を。
・左大臣(さだいじん)橘諸兄(たちばなのもろえ)の邸宅での宴に際に元正上皇が橘諸兄を褒めたたえて詠まれた歌です。
- rough meaning: I will never forget Tachibana which is heavy with fruits like this. (Tachibana is also the family name of the nobleman. This is the poem in honor of the Tachibana family.)
補足
この歌を含む4056番歌の題詞には「太上皇(おおきすめらみこと:元正上皇のこと)、難波宮(なにわのみや)に御在(いま)しし時の歌七首 [清足姫天皇(きよたらしひめのすめせみこと:元正天皇のこと)也]」とあります。また、この歌の題詞には「御製の歌一首」とあります。