原文

路邊 壹師花 灼然 人皆知 我戀■(女偏に麗) [或本歌曰 灼然 人知尓家里 継而之念者]

作者

柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)歌集より

よみ

道の辺(へ)の、いちしの花の、いちしろく、人(ひと)皆(みな)知りぬ、我(あ)が恋妻(こひづま)は [或(あ)る本の歌に曰(いわ)く いちしろく、人知りにけり、継(つ)ぎてし思へば]

意味

ヒガンバナ by 写真AC

道端のいちしの花が目立つように、私の恋しい妻のことがみんなに知られてしまいました。

・いちしろく、とは「はっきりと」とか「目立って」というような意味です。「いちし」と「いちしろく」を掛けて詠んでいますね。

- rough meaning: My dear wife has become known to everyone as if Ichishi on the roadside would be conspicuous.

補足

・「物に寄せて思ひを陳(の)ぶる」歌のひとつです。

更新日: 2021年08月08日(日)