原文
可良等麻里 能許乃宇良奈美 多々奴日者 安礼杼母伊敝尓 古非奴日者奈之
作者
遣新羅使(けんしらぎし)
よみ
韓亭(からとまり)、能許(のこ)の浦、波立たぬ日は、あれども家に、恋(こ)ひぬ日はなし

意味
韓亭(からとまり)の能許(のこ)の浦に波が立たない日はあっても、家のことを恋いて想わない日はありません。
補足
3668~3673番歌の題詞に、「筑前國(つくしのくに)の志麻郡(しまのこほり)の韓亭(からとまり)に到って、停泊して三日が経ちました。この時、夜の月の光は白く輝きながら流れています。この月の光に対してして旅情(りょじょう)がわいてきたのでそれぞれが思いを述べてともかく作った歌六首」とあります。