原文
和我屋度能 麻都能葉見都々 安礼麻多無 波夜可反里麻世 古非之奈奴刀尓
作者
狭野弟上娘子(さののおとがみのをとめ)
よみ
我が宿(やど)の、松(まつ)の葉見つつ、我(あ)れ待たむ、早帰りませ、恋(こ)ひ死なぬとに
意味

私の家の庭の松(まつ)の葉を見ながら、私は待ちましょう。早く帰ってきてください。私が恋死なないうちに。
松(まつ)を「待つ」に掛けています。
※中臣朝臣宅守(なかとみのあそんやかもり)が、越前(えちぜん)の国に流罪(るざい)となったときに、奥様の狭野弟上娘子(さののおとがみのをとめ)が、だんなさんの身を案じて詠んだ歌の一つです。
補足
この歌を含む3723番歌の題詞に、「中臣朝臣宅守(なかとみのあそんやかもり)と狭野弟上娘子(さののあとがみのをとめ)との贈答歌」とあります。」とあります。