原文
山跡邊 君之立日乃 近付者 野立鹿毛 動而曽鳴
作者
麻田陽春(あさだのむらじやす)
よみ
大和へに 君が発つ日の 近づけば 野に立つ鹿(しか)も 響(とよ)めてぞ鳴く
意味
大和にあなたが旅立つ日が近づいたので、野に立つ鹿(しか)も声を響かせて鳴いています。
- rough meaning: As the day when you travel to Yamato approaches, the deer appearing in the field is crying sadly.
補足
この歌を含む0568番歌の題詞には、「大宰帥(だざいのそち)大伴卿(おおともきょう)、大納言(だいなごん)に任ぜられ、京に入らむとする時、府の官人等、卿を筑前國(つくしのみちのくち)蘆城驛家(あしきのうまや)に餞(はなむけ)する歌四首」とあります。
この歌の左注には、「右二首、大典麻田連陽春(だいてんあさだのむらじやす)」とあります。