原文

山跡邊 君之立日乃 近付者 野立鹿毛 動而曽鳴

作者

麻田陽春(あさだのむらじやす)

よみ

大和へに 君が発つ日の 近づけば 野に立つ鹿(しか)も 響(とよ)めてぞ鳴く

意味

鹿 by 菜摘

大和にあなたが旅立つ日が近づいたので、野に立つ鹿(しか)も声を響かせて鳴いています。

- rough meaning: As the day when you travel to Yamato approaches, the deer appearing in the field is crying sadly.

補足

この歌を含む0568番歌の題詞には、「大宰帥(だざいのそち)大伴卿(おおともきょう)、大納言(だいなごん)に任ぜられ、に入らむとする時、府の官人等、卿を筑前國(つくしのみちのくち)蘆城驛家(あしきのうまや)に餞(はなむけ)する歌四首」とあります。

この歌の左注には、「右二首、大典麻田連陽春(だいてんあさだのむらじやす)」とあります。

更新日: 2020年02月09日(日)