原文

萱草 吾下紐尓 著有跡 鬼乃志許草 事二思安利家理

作者

大伴家持(おおとものやかもち)

よみ

忘れ草、我が下紐(したひも)に、付けたれど、醜(しこ)の醜草(しこくさ)、言(こと)にしありけり

意味

ヤブカンゾウ 撮影 by きょう

忘れ草を下着の紐につけたけれど、忘れ草とは名ばかりで、ひどい草です。(少しもあなたのことを忘れられないのです。)

大伴家持(おおとものやかもち)が従妹(いとこ)の大伴坂上大嬢(おおとものさかのうえのおおいらつめ)に贈った歌のひとつです。

忘れ草を持っていると、辛いことを忘れることができる」という言い伝えがあったそうです。

補足

この歌の題詞には「大伴宿祢家持坂上家の大嬢(だいじょう)に贈る歌二首 [離絶(りぜつ)數年、復(また)會(あ)いて相聞(そうもん)徃来(おうらい)す]」とあります。

更新日: 2018年01月14日(日)