大伴坂上大嬢(おおとものさかのうえのおおいらつめ)
大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)の娘さんです。大伴家持(おおとものやかもち)の従妹(いとこ)にあたりますが、恭仁京(くにのみやこ)の頃に大伴家持(おおとものやかもち)の正妻になったと考えられています。生没年はわかっていません。
- Otomo-no-Sakanoue-no-Oo-Iratsume is the daughter of Otomo-no-Sakanoue-no-Iratsume. She is the cousin of Otomo-no-Yakamochi, and it is believed that she became the wife of Otomo-no-Yakamochi around Kuni-no-Miyako period.The year of her birth and death is unknown.
大伴坂上大嬢(おおとものさかのうえのおおいらつめ)が詠んだ歌
大伴家持(おおとものやかもち)との贈答歌が載っています。
0581: 生きてあらば見まくも知らず何しかも死なむよ妹と夢に見えつる
0582: ますらをもかく恋ひけるをたわやめの恋ふる心にたぐひあらめやも
0583: 月草のうつろひやすく思へかも我が思ふ人の言も告げ来ぬ
0584: 春日山朝立つ雲の居ぬ日なく見まくの欲しき君にもあるかも
0729: 玉ならば手にも巻かむをうつせみの世の人なれば手に巻きかたし
0730: 逢はむ夜はいつもあらむを何すとかその宵逢ひて言の繁きも
0731: 我が名はも千名の五百名に立ちぬとも君が名立たば惜しみこそ泣け
0735: 春日山霞たなびき心ぐく照れる月夜にひとりかも寝む
0737: かにかくに人は言ふとも若狭道の後瀬の山の後も逢はむ君
0738: 世の中の苦しきものにありけらし恋にあへずて死ぬべき思へば
1624: 我が蒔ける早稲田の穂立作りたるかづらぞ見つつ偲はせ我が背