武蔵野乃 乎具奇我吉藝志 多知和可礼 伊尓之与比欲利 世呂尓安波奈布与
不明
武蔵野(むさしの)の、をぐきが雉(きぎし)、立ち別れ、去(い)にし宵(よひ)より、背(せ)ろに逢はなふよ
武蔵野(むさしの)の山の峰の雉(きじ)が飛び立つように、別れて行った夜から、夫に逢うことがありません。
「をぐき」は、を岫(くき:山の峰などの意味)のことと考えられています。
この歌を含む、3373~3381の左注に「右の九首、武蔵国(むさしのくに)の歌」とあります。