万葉集: 甘樫丘(あまかしのおか)

2006年10月08日(日)更新


甘樫丘(あまかしのおか)は、奈良県高市郡明日香村の飛鳥寺の西にある丘です。標高は148メートルですが、1キロほどの広がりがあります。写真は、飛鳥寺の裏手の「入鹿の首塚」から望んだ甘樫丘(あまかしのおか)です。

万葉集には、甘樫丘(あまかしのおか)と名前が出てくる訳ではありませんが、下記の歌の「神岳」が甘樫丘(あまかしのおか)ではないかと考えられます。一説には、すぐ北にある雷丘(いかづちのおか)という説もあります。

甘樫丘(あまかしのおか) 撮影 by きょう

0159: やすみしし我が大君の夕されば.......(長歌)

0324: みもろの神なび山に五百枝さし.......(長歌)

0325: 明日香河川淀さらず立つ霧の思ひ過ぐべき恋にあらなくに


ここでは、「神岳」を甘樫丘(あまかしのおか)として紹介させていただいてます。(個人的な思いですのであまりアテにはなりません)

(1) 甘樫丘(あまかしのおか)は明日香を望むに適していると考えられます

(2) 雷丘(いかづちのおか)は、その名が載っている歌があります

(3) 雷丘(いかづちのおか)は、0159番の歌の「振(ふ)り放(さ)け見(み)つつ」としてはあまりに小さな丘だと思えるのです

(4) 0159番の歌の「神岳の山の黄葉を今日もかも問ひたまはまし」というくだりがありますが、天武天皇の飛鳥浄御原宮が現在の飛鳥浄御原宮とすると、そこから眼前に見える甘樫丘(あまかしのおか)がふさわしいと思われます。


万葉の故地【奈良】