第二巻 : やすみしし我が大君の夕されば

2006年10月08日(日)更新


原文: 八隅知之 我大王之 暮去者 召賜良之 明来者 問賜良志 神岳乃 山之黄葉乎 今日毛鴨 問給麻思 明日毛鴨 召賜萬旨 其山乎 振放見乍 暮去者 綾哀 明来者 裏佐備晩 荒妙乃 衣之袖者 乾時文無

作者: 持統天皇(じとうてんのう)

よみ: やすみしし、我(わ)が大君(おほきみ)の、夕(ゆふ)されば、見(め)したまふらし、明け来れば、問(と)ひたまふらし、神岳(かむおか)の、山の黄葉(もみち)を、今日(むふ)もかも、問(と)ひたまはまし、明日(あす)もかも、見(め)したまはまし、その山を、振(ふ)り放(さ)け見(み)つつ、夕(ゆふ)されば、あやに悲(かな)しみ、明け来れば、うらさび暮(く)らし、荒栲(あらたへ)の、衣(ころも)の袖(そで)は、干(ふ)る時もなし

意味: 大君が夕方になるとご覧になり、朝になるとご覧になった神岳(かむおか)の山の黄葉(もみち)を、(生きていらしたら)きょうもきっとご覧においでになるでしょう、あすもおいでになるでしょう。(私は)その山を仰(あお)ぎながら夕暮れにはとても悲しみ、夜明けにはさみしく過ごし、衣(ころも)の袖(そで)は乾(かわ)くことがありません。

天武天皇(てんむてんのう)が亡くなったのを悲しんで詠んだ歌(挽歌:ばんか)です。

天武/持統天皇陵 撮影(1999) by きょう

第二巻