第九巻 : 風莫の浜の白波いたづらに
2005年06月05日(日)更新 |
原文: 風莫乃 濱之白浪 徒 於斯依久流 見人無 [一云 於斯依来藻] 作者: 長意吉麻呂(ながのおきまろ) よみ: 風莫(かざなし)の、浜(はま)の白波(しらなみ)、いたづらに、ここに寄(よ)せ来(く)る、見(み)る人(ひと)なしに [一云(いちにいふ) ここに寄(よ)せ来(く)も] |
意味: 風のないと言われている浜に白波(しらなみ)がむなしくここに寄せてきます。だれも見る人がないというのに。 大宝1年(701年)10月、持統天皇(じとうてんのう)と文武天皇(もんむてんのう)の紀州(きしゅう:今の和歌山県)への行幸(ぎょうこう:天皇のお出かけ)の時にに、詠んだ歌とのことです。 |
「風莫(かざなし)の浜(はま)」が和歌山県の西牟婁郡(にしむろぐん)白浜町、または海南市(かいなんし)の黒江海岸(くろえかいがん)だという説があるそうです。 |