原文
天漢 霧立渡 且今日々々々 吾待君之 船出為等霜
作者
藤原房前(ふじわらのふささき)
よみ
天の川、霧(きり)立ちわたる、今日今日と、我(わ)が待つ君し、舟出(ふなで)すらしも
意味
天の川に霧(きり)が立ち込めています。今日か今日かと、私が待っていたあなたが、船出をされたでしょう。
彦星は、船で渡ってくるのですね。
補足
この歌の直前の1764番歌の題詞には「七夕の歌一首[并(あわ)せて短歌]」とあり、この歌の題詞には「反歌」とあります。
この歌の左注には「右、件(くだり)の歌、或(ある)いは云はく、中衛大将(ちゅうえいだいしょう)藤原北卿(ふじわらのほくきょう)の宅(いえ)にして作るという。」とあります。