第十九巻 : 杉の野にさ躍る雉いちしろく

2008年08月24日(日)更新


原文: 椙野尓 左乎騰流雉 灼然 啼尓之毛将哭 己母利豆麻可母

作者: 大伴家持(おおとものやかもち)

よみ: 杉(すぎ)の野に、さ躍(をど)る雉(きぎし)、いちしろく、音(ね)にしも泣かむ、隠(こも)り妻(つま)かも

杉(すぎ)の野に飛び跳ねる雉(きじ)は、目立つほど大きな声で鳴きますね。とても忍ぶ妻とも思えないです。

天平勝宝2年(西暦750年)3月2日に詠まれた歌で、この歌の題詞には、明け方に雉(きじ)が鳴くのを聞いて詠んだ歌とあります。

杉 撮影(2006) by きょう

「隠(こも)り妻(つま)」は、結婚していることを隠している女性のことです。


第十九巻