原文
山吹乃 花執持而 都礼毛奈久 可礼尓之妹乎 之努比都流可毛
作者
留女女郎(りゅうぢょのいらつめ)
よみ
山吹(やまぶき)の 花取り持ちて つれもなく 離(か)れにし妹(いも)を 偲(しの)ひつるかも
意味
(わたくしのことを)気にも留めずにいらっしゃったあなたさまのことを、山吹(やまぶき)の花を手にとって、偲んでおります。
- rough meaning: With holding the Yamabuki flower in my hand, I'm thinking of you who have gone without paying attention to me.
補足
・この歌の題詞には「京師(みやこ)より贈来(おこ)せる歌一首」とあり、左注には「右、(天平勝宝2年:西暦750年)四月五日留(とど)まれる女(め)たる女郎(いらつめ)より送れり」とあります。
・留女女郎(りゅうぢょのいらつめ)は大伴家持(おおとものやかもち)の妹さんだそうです。大伴家持(おおとものやかもち)の奥様の坂上大嬢(さかのうえのおおいらつめ)がだんな様(大伴家持)の任地にさっさと行っちゃったことがさみしくて、都から贈った歌です。